西洋でもアジアでもない“インド料理”。
一口ごとに味が変わる面白さを初体験！

　「とにかく混ぜて食べてください」とは、伊万里で１年半のカレー屋を経て３年前に店をオープンしたマスターの山口尚博さん。「インド家庭料理」とは聞きなれないが、その背景は深い。インドの各家庭では数種類の料理を皿の中で混ぜ、自分の好みの味を創り上げてゆくという。

　白米と蒸し野菜に酸味の効いたヨーグルトソースや、コクのある豆料理を絡めて、口に豪快に放りこんでゆく…口の中で、さまざまな素材の味が溶け合う面白さ！　これは初体験だ。韓国料理にも似ているが、菜食ベースのため、とてもヘルシーで滋味深い味わい。パンチのあるスパイスが時に刺激を残しつつ、スルスルと優しく胃袋に収まってゆく。手で混ぜて食べても良いという理由もわかってくる。

　宗教上、古くから各家庭によって食べられる食材が決まっているため、より美味しく食事を楽しむために確立したインド家庭料理。すでに出来上がった状態で出される世界の料理と違って、食べ手が再び味を選び、創り出してゆくスタイルは唯一無二だ。「インド料理＝カレーという図式は日本人が作ったもの」と語る山口さん。和食の?油や出汁と同じく、インド料理の決め手はスパイスだが、一つの鍋に多量のスパイスを投入するカレーと違って、各素材に合わせたスパイスを使って調理する。

　調理段階と、食べる段階で味の変化が楽しめる、ある意味自由度の高いインド家庭料理は、食べ手の舌センスも問われる。う～ん、レベル高し！　マスターの食文化うんちくも面白い。ただ「美味しい」だけではない世界がここにひっそりと存在している。新しいグルメを発見したい人には実にオススメの場所だ。

DATA

■住所 佐賀県武雄市山内町大字宮野24738-5 MAP
■TEL 0954-45-5083
■営業時間 12:00～15:00／18:00～21:00
■店休日 火曜
■カード使用 不可
■席数 17席
■駐車場 あり
■Menu 定食各750円～、チャイ300円ほか