2017年03月02日
「Café da ILHA」Vol.70
有田初のCafé & Hostel
進まぬ時間に身をゆだね
切り立った山々に囲まれ、静かに時を刻む陶都・有田町。昨年、有田焼創業400周年を迎え、多くの観光客が訪れた。「それにしても町にはゆっくり休憩する場所がないんですよね」と語るのは、有田初のカフェ&ホステル『Café da ILHA /Hostel da ILHA』を2015年11月にオープンさせた渕ノ上高嗣さん。
生まれも育ちも有田町。現在、実家の渕上陶磁器のバイヤーも兼ね、3足のわらじを履く渕ノ上さん。「いつかは実家に戻るかも」という思いを頭の片隅に置きながら、インテリアデザイン、カフェバー、レストラン、さまざまな職を渡り歩いた。その好奇心は海外へ向けられ、語学留学時に知り合ったクラスメイトが住むブラジルに3カ月間滞在。そこで出合ったのが、カフェ&ホステルだった。 暮らすように、その町の時間と空間を楽しむ。そんな場所を自分の故郷に作りたい。元住居だった200年の古民家と倉庫をリノベーション、昔ながらの木の梁や柱は残し、和のたたずまいを残した。昔学んだデザイン、飲食店での経験がそのまま形となることに。外国人観光客ともコミュニケーションがとれるようになり、あらためて有田という町の良さに気づいたという渕ノ上さん。晴れた日にはテラス席で、一人の時はカウンターで。テーブル席やソファー席、読書テーブルまである『Café da ILHA』。思いおもいのひと時を過ごせるとともに、美しい有田焼の器でいただく、独創的なメニューもILHAの魅力の一つだ。
食材は地元産やオーガニックなども使用。こだわりはなく、自分が良いと思ったものがベースで、食べた人の舌にゆだねる。アレルギー、ベジタリアン対応は国際基準。一杯立てのコーヒーを飲みながら、渕ノ上さんとぼそぼそお喋りしていたら、ゆっくり過ごしていたつもりがあっという間に2時間経っていた。きっとカフェ&ホステルの存在が、有田の町をグッと近づけてくれるのは間違いないだろう。ILHAとはかつて過ごしたブラジルにある島の名前だとか。有田町の山並みにそっくりだという。
DATA
■住所 佐賀県西松浦郡有田町本町1092 MAP
■TEL 080-4281-0168
■営業時間 11:30~18:00(金・土は20:30OS)
■店休日 火曜
■席数 14席(+テラス8席)
■カード使用 不可
■駐車場 あり
■喫煙 店内禁煙(喫煙はテラスのみ)
■Menu 豆とアボカドわさびサンド680円、黒ごまと豆乳のフレンチトースト780円、New York チーズケーキ580円、米粉のパンケーキ780円、白玉ぜんざいとほうじ茶のセット680円、ブレンドコーヒー400円、ホットチョコレート500円、ビール・ワイン400円~ ほか
取材:森泉敦子
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