佐賀クチコミグルメ

2016年11月30日

「喰道 こが」Vol.67 和食

切る、煮る、焼く、蒸す、揚げる
郷土料理の枠を超えた佐賀の一皿

コース料理の焼き物例/「レンコンの揚げ出し」

 例えば有明海の珍味、ガニ漬け。食べ方の応用が効かない。しかし店主の古賀和幸さんは「アンチョビの代わりに使ってパスタにしたら」とサラリ。カウンターに出された皿の上には、塩豆腐のガニ漬けオイル。「佐賀の旬を余すことなく、驚きと共に美味しく召し上がっていただきたい」と古賀さん。濃い味付けの郷土料理の型を破った、独創的なメイドイン佐賀が日々違う味わいを奏でる。

『塩豆腐のガニ漬けオイル』(700円)、『エツの甘露煮』、『生アミの塩辛』
 農家出身。幼い頃から料理が好きで、理論立てた勉強は嫌い。就職こそしたが、趣味と称して数々の居酒屋でバイト、食べ歩きの夜に情熱を注いだ。そこで飲食関係者にハンティング、多くの食通を魅了する白山のバー『梟の響キ』の立ち上げから店長まで任されるまでに。

 今年5月オープン。20代前半で客単価7~8,000円の料理、もてなし、空間とは、を身体で覚えた。寿司屋での修業時代には職人による調理師会の洗礼も浴びた。地元の農家に足を運び、地域や家庭に伝わる料理の由来やレシピを貪欲に聞いて周った。
 「素材の味を活かすシンプルな調理法の中で足し算引き算するだけ」と話す古賀さんの料理は、大胆かつ繊細。しかしベースは郷土料理。一見新しく見えるレンコンのポタージュも、産地・白石町福富に古くから伝わるレンコンを使った水羊羹、"蓮寄せ"からヒントを得た。レシピは基本、客にオープン。そんな型破りな古賀さんに、最初は仕入れ先の農家や職人も目を丸くしていたが、今では力強いパートナー。日々、店には味を知り尽くした大人たちが新鮮な発見を求め、集う。

『和風ポテトサラダ』(700円)コース一例/『レンコンのポタージュ』
 佐賀市中心部にあるのに、見つけにくいビルも入りにくい入口もいい。店に入ればムダをそぎ落とした上質な和空間。一品ものの器もまたよし。「料理は全てオーダーメイド。料理人は自分の料理をお客様に食べさせるわけだからワガママ。だからお客様にもワガママを言ってもらう。そんな対等な関係が良いんです」。器の上で躍る佐賀の食材も本望だろう。



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DATA


■住所 佐賀市中央本町10-5 AIビル2F MAP
■TEL 0952-22-1050
■営業時間 18:00~23:30OS
■店休日 日祝日
■席数 カウンター7席、座敷(個室)6席
■カード使用
■駐車場 なし
■喫煙 時間帯分煙
■Menu
≪予約制のコース≫
初彩コース(6品)4,000円~、海千山千コース(8品)5,000円~、厳選 地場特選コース7,000円~(2日前まで予約) ※鍋、せいろ蒸し、しゃぶしゃぶ等前日予約
≪コース≫
本日の店主特選コース3,500円(5品)、おまかせ晩酌セット3,000円(5品)
≪一品もの≫
旬彩逸選 刺身盛り1,500円~、だし巻き卵700円、厚切り牛タンステーキ1,600円 ほか
≪〆もの≫
お茶漬け・にゅうめん600円 ほか
≪ドリンク≫
日本酒各種一合800円~、生ビール600円、グラスワイン600円、梅酒700円
ほか

店内店内


ぜひ、さがん酒と一緒にお楽しみを。




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Posted by さがファンショッピング  at 17:15 │和食