佐賀クチコミグルメ

2021年11月01日

「あぶり家 壱町(いっちょう)」Vol.119

地元のファンと創り上げた
唯一無二のカジュアル和風居酒屋

『海老とホタテのバター醤油』850円
 佐賀の地方では毎月、当番制で親睦会を開催する三夜待という文化がまだ色濃く残っている。地域の人々はとにかく集まって飲食するのが好きなイメージがあるが、そこで一役買っているのが『あぶり家 壱町』である。

『本日の刺身盛り合わせ』一人前1,000円~
 オーナーの福田蔵人さんが白石町に帰郷したのは14年前。実家の酒屋が傾きかけ、解決策に、とフランチャイズのラーメン店を酒屋の倉庫を改装して開店した。気軽に入れる店として繁盛したが、わがままな地元客が望むのは“お酒も飲めて、いろいろ食べられる店”。そこで福田さんはFC本部に内緒でこっそり酒を出し、居酒屋料理を作り始めたという。

 「ラーメン屋なのに昼も夜も宴会でしたよ」と笑う福田さん。その間、FC本部がつぶれ、酒屋の建物の老朽化により、大幅改善を迫られた。そこで2018年1月、今の店が誕生した。
 酒屋併設の広々とした店内はカジュアルながら、カフェのような雰囲気。当初は人件費削減のためメニューは焼肉のみ。幅広い客層を狙ったが、地元客が離れていったという。

『味しみ大根のアツアツ竜田』600円
 「そこで居酒屋メニューを出すと、こんなちゃんとした店でラーメン屋と同じものを出すのかとお客さんから叱られて」と再び苦笑する福田さん。しかしそれが店の飛躍の大きな原動力となった。厨房に元ホテルシェフの川﨑準一さんをスカウト。経験豊富な川﨑さんが仕入れから調理、盛り付けまですべて担当することで、店を一新した。すると女性客の心をつかみ、徐々に地元客もついてきた。

『殻付き生牡蠣 フレッシュレモンとポン酢を添えて』2個580円
 メニュー名だけで喉が鳴る創作料理は見てワクワク、食べて満足するものばかり。試食に写真の3品をいただいた。調理法は焼く、揚げるとシンプルだが、旬の食材に絶妙に絡むソース、芯まで染み入った出汁の味に驚く。そして食材そのものの新鮮さ!生牡蠣を口にした時はスタッフ一同、うなってしまった。
 「これから敷地内にバーやカフェを作りたい。ここを“ひとつの町=壱町”にできれば」とピンチをチャンスにしてきた福田さんが底抜けに明るい笑顔で夢を語ってくれた。今後は『あぶり家 壱町』を地元客の憩いの場だけにはしておけないだろう。


店内店内
店内店内

DATA


■住所 杵島郡白石町戸ケ里1826-1 MAP
■営業時間 17:30~22:30OS
※テイクアウト受付 14:00〜17:30、受取 17:00〜20:00
※予約状況によりご希望時間に添えない場合がございます
■TEL 0954-65-3157
■店休日 水曜
■駐車場 あり
■席数 カウンター5 テーブル3 座敷6 個室2(座敷・個室は全て掘りごたつ式)
■カード使用
■喫煙 不可 外に喫煙所あり
■Menu
【前菜・小鉢】
枝豆ペペロン380円・クリームチーズチャンジャ400円・イカ月見なっとう450円・クリームチーズ味噌漬けクラッカー添え680円 ほか
【刺身】
本日の刺身盛り合わせ1,000円~・天使のエビカルパッチョ900円・馬刺し1,100円・牛ミノ炙り刺し800円 ほか
【焼魚・煮魚】
ブリカマの塩焼き850円・鯛のアラ炊き900円 ほか
【サラダ】
カリカリごぼうサラダ700円・生ハムと温玉シーザーサラダ700円 ほか
【焼物・温菜】
ふわふわ出汁巻玉子700円・炙りチャーシュー580円・牛スジと野菜の和風煮込み650円
ほか
【肉・鉄板】
赤身の肉厚ガッツリステーキ1,500円・牛ホルモン鉄板850円・牛タン塩ネギまみれ1,000円・手ごねハンバーグ880円 ほか
【麺類】
ちょいがけカレー550円・豚骨ラーメン/とり塩ラーメン600円・おまかせパスタ880円・肉うどん650円 ほか
【揚げ物】
和風炊き長芋の唐揚げ650円・マキシマムにんにくフリッター450円・チーズのカリカリ棒450円・豆腐と野菜の揚げ出汁500円 ほか
【コース料理】
焼肉コース/和食コース3,000円~
※飲み放題(2時間制)コース併用 2,000円、単品 2,200円
※コース予約、鉢盛り(5,400円〜)に関しましては原則、前々日までのご予約でお願い致します
(上記金額は全て税込表示の記載)

外観外観
外観外観

『豚骨一丁』のラーメンもあります!〆にどうぞ☆

HP : https://aburiya-iccho.com/
Instagram : https://www.instagram.com/kuracho0325/

取材:森泉敦子

  


Posted by さがファンショッピング  at 13:46和食居酒屋・バー魚介・海鮮料理佐賀ラーメン弁当・仕出し

2021年10月01日

「蛮屋~BANYA~」Vol.118

ランチ・カフェ・居酒屋なんでもアリ
栄養と優しさたっぷりのお母さんの味

『お魚定食』1,000円
 敷地内に屋台風の建物とこじゃれたコンテナの小屋が隣り合わせになっている。不思議な雰囲気を醸し出している店には、昼はサラリーマンが列をなし、夜には女性から年輩まで幅広い客が訪れる『蛮屋~BANYA~』。なんと40周年を迎える地域の顔だ。
 まずそのメニューの数に驚く。定食、ランチ、焼き鳥、居酒屋、テイクアウトとズラリ。しかもすべてがボリューム満点だ。厨房を預かるのは女性マスターと知りさらにビックリ。

おさかな定食鮮魚刺身
 栄養士の資格を持つ末次嘉寿弥(かずみ)さんが、父親の営む店を手伝い始めたのは20年前。脱サラして店を手作り、黙々と焼き鳥を焼く父の背中を見て育った。その父が体調を崩した時「この店を残したい」と短大卒業後、両親のもとで修行を積んだ。しかし若い末次さんの夢は“女性が一人でも楽しめるカフェ風の店”。8年前にコンテナを隣接し、工夫をこらして、昼と夜に対応できるようさまざまなスタイルの座席を手作りでもうけた。

『オムライス御膳』1,000円
 「でも、男性客の方がほとんどなんですよ」と笑う末次さん。一番人気の『お魚定食』をいただけば納得だ。日替わりの魚は目利きの父親が、柳川や大分から仕入れる。この日のイサキの煮付けは薄味で上品。丁寧な調理が味に表れている。カンパチの刺身もプルップルで弾力があり、鮮度の高さがすぐわかる。ごはんも粒が立って、漬物だけでも食べられそう。まるでお母さんがつくったような滋味深く優しい味なのにボリューミーな定食。女性客にもぜひ知ってもらいたい!

 クオリティーの高い定食を満喫していると、「実はカフェタイムをつくりたいんですよ」と末次さん。最近、カウンター席をつくった。女性客とコーヒーやスイーツを楽しみながらおしゃべりがしたい…コロナ禍だからこそ夢をかなえるチャンスが来た、と準備中だ。
 親子で営む『蛮屋~BANYA~』。一度聞いたら忘れない店名の意味は、家族中誰も知らないという。昼、カフェ、夜と大忙しの日々になるのももうすぐだろう。期待が膨らむ。


店内店内
店内店内

DATA


■住所 佐賀市大財5-8-12 MAP
■営業時間 <火曜~金曜>ランチ:11:30〜14:00/居酒屋・お食事:17:00~22:00
<土日祝>15:00~22:00 ※コロナ禍対応で変わるのでHPをチェックしてください
■TEL 0952-24-6518
■店休日 月曜
■駐車場 あり
■席数 30席 ※コロナ禍対応
■カード使用 カード不可、PayPay可
■喫煙
■Menu
【ランチ】
★サラダ・小鉢・みそ汁・ごはん付き
唐揚げ定食・チキン南蛮定食・みつせ鶏親子丼定食880円
ジャンボエビ&カニコロ定食1,000円
ホルモン鉄板定食1,280円

★鮮魚の一品・サラダ・小鉢・みそ汁・ごはん付き
お魚定食・お肉の定食1,000円

★鮮魚の一品・サラダ・小鉢・パイスープ・ごはん付き
パイスープ付きランチ(焼きカレー御膳・オムライス御膳)1,000円~ ほか

【軽食・単品】
やきそば650円・チーズピザ600円・チーズオムレツ620円・山芋鉄板800円・蛮屋ぞうすい530円・たまごチャーハン550円・ごはん&みそ汁セット400円・ごはん&パイスープセット680円 ほか

【テイクアウト】
唐揚げ弁当500円・やきそば600円・チキン南蛮弁当600円・カレーライス600円 ほか
※夜は居酒屋メニューになります(みつせ鶏の焼き鳥ほか一品料理多数)

外観外観

テイクアウトは注文を受けてからつくります☆

LINE : https://page.line.me/602hzqgn?openQrModal=true
HP : https://banya1982.amebaownd.com/
Instagram : https://www.instagram.com/banya.saga/

取材:森泉敦子

  


Posted by さがファンショッピング  at 17:00和食カフェレストラン居酒屋・バー定食弁当・仕出し洋食

2021年09月08日

「季節料理 魚喜」Vol.117

神埼の町に息づく100年の味
本場の旬を自由に楽しむ喜び

『松華堂弁当』2,500円
 佐賀市内から車で約20分、あたり一面佐賀平野が広がる神埼市の千代田町に創業101年を迎える料亭がある。『季節料理 魚喜』では、有明海名物のえつをはじめ、下関のふぐ、築地のまぐろ、北海道のカニなど全国から取り寄せた選りすぐりの旬の魚が並ぶ。

あらだき
 100年も続く料亭とは、と少し緊張していると、モダンな日本家屋の店内から人懐っこい笑顔の3代目・永原則昭さんが現れた。永原さんの祖父にあたる初代・喜六さんが、魚卸業を始めた大正9(1920)年頃は、町中を流れる筑後川の支流で運送業が盛んだったという千代田地区。川沿いには商家が約1㎞に渡って並び、船宿や料亭なども多くあったという。やがて仕出し屋メインの小さな割烹料理屋をつくり、芸妓さんが座席を盛り上げた時期もあった。まさに栄華を極めた千代田地区だが、時代の流れにより昭和40年代にはすっかり衰退してしまったそうだ。

食後のコーヒーとアイスクリーム
 「この100年間、続いたのは僕が一度ぶち壊したけん」と笑う永原さんは平成2年(1990年)に3代目就任。大阪の調理師専門学校時代は“よく遊び、よく学べ”を地で行った。全国を周って目と舌を肥やし、帰郷後、料亭で住み込みの厳しい修行を積んだ。就任時には「時代に取り残されちゃいかん」と、仕出し屋ののれんをはずし、店を大幅増設、大々的に料亭として店を構えた。祖父、父が築いてきた店とは趣の異なる店に生まれ変わらせ、流行の創作料理にもチャレンジ。どんどんアイデアを形にしたところ、女性客を主に話題を呼び、全国から客が訪れた。結果、売り上げ1億円が13年間も続いたという。

えつんこ南蛮漬け
 今でも自ら全国を飛び回り仕入れ、調理、経営を一挙に担う。「地元やけんってこだわりはなく、僕はただ味づくりと喜びづくりをしたいだけ。それは祖父の代から変わっとらんね」。豪快な語り、行動とは対照的にその料理はとても繊細だ。永原さんの楽しいおしゃべりも大きな魅力となっている。「スタイルや味は料亭やけど、基本は自由やけん、気軽に日本料理を楽しんでほしかね」。料亭の枠を超えた老舗の挑戦は、コロナ禍にも負けず続く。


店内店内
店内店内

DATA


■住所 神埼市千代田町渡瀬2212-3 MAP
■営業時間 11:00~22:00(ランチ11:00~15:00) ※前日まで要電話予約
■TEL 0952-44-2142
■店休日 不定休
■駐車場 あり(30台)
■席数 60席(2021 9月現在/本来総席数は120席・個室6)
■カード使用
■喫煙 外に喫煙スペースあり
■Menu
【ランチ】
ふぐ定食・松華堂弁当・麺懐石(コーヒー・アイスクリーム付き) 各2,500円
カレーランチ(サラダ・コーヒー付き)1,000円

【季節のコース料理】
佐賀牛・イカの活き造り・竹崎ガニ・えつ・有明海海産物・ふぐ などコース料理5,000円~

【テイクアウト】
九州産黒毛和牛しゃぶ(1人前125g)2,500円
季節のお弁当各種1,600円~
次郎っ子カレー(板前のまかないカレー)4人前900g1,500円・7人前1500g2,200円
ほか ※価格は税込

外観外観

日本全国の美味しい味がそろってます☆

HP: http://kisetsu-uoki.jp/

取材:森泉敦子

  


Posted by さがファンショッピング  at 16:27和食魚介・海鮮料理定食弁当・仕出し

2021年07月01日

「nongo-kitchen(ノンゴ・キッチン)」Vol.116

“神スイーツ”と呼ばせて
体と心が喜ぶ健康&美容カフェ

『03 coffee』
 最近、主に女性客の間で話題になっている『nongo-kitchen』。オーナーシェフの峯裕子さんは美容業界出身だが、2014年に転身。多忙な毎日で子どもと向き合う時間がなく、悩んでいた時に「自分のペースで働ける」と友人から紹介されたのがキッチンカー(移動販売車)だった。
 その新しさと自由さに惹かれ、すぐに別業界に飛び込んだ峯さん。カレーを商品に決めたのは「カレーは嫌いな人がいないから」と即答。油を使用せず、佐賀牛・伊万里牛のすじと10種類の野菜、果物を3日間かけて煮込むヘルシーで手の込んだカレーが評判を呼び、各地のイベントで行列ができる店になっていった。

『パンケーキ』680円
 母、兄、弟が飲食業界ゆえに、その苦労も知っていた。思い切った転身だが、持ち前の探求心と“人が好き”という思いがピッタリ一致し、昨年、念願だった実店舗を構えた後も、キッチンカーを止めるわけでもない。どんどんと飲食の世界にハマっていった。メニューはカレーとロースイーツのみとシンプル。峯さんのポリシーである健康&美容にフォーカスできるからだ。
 『1日分のお野菜カレーランチ』のプレートには11種が並ぶ。じゃがいものペペロンチーノやコラーゲンのゼリーなど創作色が豊かで新しい味の発見も楽しく、何より体に優しい味わい。最近では佐賀初となる「ロースイーツ」が評判を呼んでいる。砂糖・乳製品・卵・小麦粉を一切使用せず、フルーツやナッツなど天然食材だけを使い、焼かずに生の状態でつくりあげる新しいスイーツだ。

『フレンチトースト』680円
 「スイーツって幸せになるものなのに、食べると罪悪感がある。それを気にせず思いっきり食べられるなんて夢みたいでしょう?」。今回は抹茶のガトーショコラ(80%はアーモンドを使用したそう)をいただいたが、使用していないはずの小麦粉のしっかりした食感もあるし、舌の上でとろけていくような初めての味わい!砂糖の強い甘さもない。罪悪感どころか、健康と美容にいいスイーツなんて、まさに“神スイーツ”だ。

 常にエネルギッシュにやりたい事に突き進む峯さんの原動力はと聞くと、「好きだから」とまたもや即答。「食べることで体に良いことをしたと思えたら、毎日が豊かになりますよね」という言葉に深く納得した。ちなみに店名のnongoとは“暖心”という意味。峯さんの情熱と人への優しさが詰まっている。


店内店内
店内店内

DATA


■住所 佐賀市髙木瀬西5-3-13 MAP
■営業時間 11:30~14:00OS/テイクアウト11:30~17:00OS/18:00~21:30(貸し切りのみ)
■TEL 0952-48-0427
■店休日 日曜・月曜
■駐車場 あり
■席数 18席(テーブル席、カウンター席)
■カード使用 不可/PayPay 可
■喫煙 不可
■Menu
【フード】
1日分のお野菜カレーランチ1,210円(30食限定)
■佐賀牛/伊万里牛すじカレーライス(カレーライス+サラダ+副菜2種+週替わりメイン/ごはん300g)1,210円
※ごはんの大盛り100グラム+100円・本日のプチデザート追加+100円・本日のミニロースイーツ+200円
わんぱくサンド&ロースイーツセット1,320円(1日10食限定・予約のみ)

【ドリンク】
コーヒー、カフェラテ、自家製レモネード各300円(フードと一緒に注文の場合200円)

【テイクアウト】
お野菜カレーランチボックス850円
佐賀牛/伊万里牛 牛すじカレーライスサラダ付き850円
ドリンク各種

外観

ロースイーツのご注文はお気軽にどうぞ☆

Instagram: https://www.instagram.com/nongo_kitchen/
Facebook: https://www.facebook.com/nongo.kitchen5

取材:森泉敦子

  


Posted by さがファンショッピング  at 10:00スイーツカフェレストランカレー弁当・仕出し

2021年04月01日

「料庵 川松」Vol.114

佐賀の歴史に思いを馳せ
本格和食とおしゃべりを満喫

『えびす御膳』1,100円
 佐賀市の中心部、佐賀藩祖・鍋島直茂を祭る松原神社の東側に伸びる参道『新馬場通り』は、明治時代、門前町として栄えたエリアだ。松原神社は人々から日峯さんの愛称で親しまれ、通りの両脇には旅館や料亭、芝居小屋などが立ち並び、昭和30~40年代には佐賀一の繁華街として大いににぎわったという。
 その名残をとどめる元『旅館 松川屋』の向かいにある『料庵 川松』を切り盛りするのは、新馬場通りで育った川松範子さん、祐子さん姉妹だ。範子さん、祐子さんは2005年に結成された「佐賀ん町屋ば甦らす会」のメンバーでずっと通りの活性化に取り組んできた。2007年に縁あって、明治初期に建てられた旧旅館を5カ月かけて改築し、『料庵 川松』をオープン。姉妹は祖母の代から60年間続く、質屋『新古賀』を通りで営んでいたが、飲食業は初めて。不安も多かったが町を盛り上げたいという一心だったという。

『あらだき御膳』1,100円
 料理は板前がつくる本格和食。名物は街のあちこちに祭られている恵比須像にちなんだ、『えびす御膳』だ。少しずつ美味しいものを食べられるミニ懐石で、出汁のきいたやさしい味わいは特に女性客からの支持が厚い。
 活〆の鯛の刺身は弾力があり、コリコリとした食感で、今まで刺身が苦手だった客も喜んで食べるようになったそうだ。煮物鉢も各素材の味を生かすべく別々に炊き、盛り付けた炊き合わせで、とにかく手間と時間がかかっている。たった3センチ角の卵焼き一口で幸せ感を味わえる経験はそうそうない。
 魚料理にも定評があり、たっぷりの汁でコトコト煮込んだ、鯛のあら炊きは、身がホロホロとほどけ、薄味が身体にやさしく染みていく。骨までしゃぶる客もいるという話には、共感するしかない。

店内
 料亭クラスのリーズナブルな御膳に加え、評判なのが、範子さん、祐子さんとのおしゃべりだ。明るい姉妹のもとには一人暮らしの年輩客もよく訪れ、昔話に花が咲く。「身体も心も元気になって、笑顔で店を後にするお客様と接するのがやりがい」と声をそろえる仲良し姉妹。佐賀の知られざる歴史と魅力を知り、元気と癒しをもらえたひと時だった。


店内店内
店内店内

DATA


■住所 佐賀市松原3-3-31 MAP
■営業時間 昼11:30~14:00(OS)、夜はご予約のみ
■TEL 0952-27-3268
■店休日 火曜・木曜
■駐車場 あり ※隣の「新古賀駐車場」をご利用ください
■席数 テーブル4~5名がけ3席、カウンター5席 ※2階の個室は2名から予約、昼(御膳)は1,650円、懐石は3,300円のお料理から、団体20名
■カード使用 不可
■喫煙 不可 ※外に喫煙スペースあり
■Menu
【お昼の御膳】
小えびす御膳880円、かぶと御膳950円(数量限定)、あらだき御膳1,100円、えびす御膳1,100円、かるかん御膳1,650円、しんばば御膳2,200円、季節のかいせき御膳2,800円、白ごはんのおかわり100円

【季節のおまかせ懐石コース】
3,300円コース(全11品)、4,000円コース(全12品) ※ランチタイムはコーヒー付き

※テイクアウトメニューあり

外観外観

時を忘れて板前の味をじっくり楽しんで☆

取材:森泉敦子

  


Posted by さがファンショッピング  at 10:30和食定食弁当・仕出し

2021年02月08日

「洋風バル サガんチーノ」Vol.112

佐賀中心街に今日も元気な風が吹く
感染気にせず本格イタリアンを堪能

『今月のアヒージョ』各800円
 佐賀が元気だ。しかも今までになかったオシャレな店が、コロナ禍に続々と登場している。昨年9月に開店したのは『洋風バル サガんチーノ』。出迎えてくれたのは、マスク姿が惜しい、イケメンシェフの鈴木淳さん。

『US産スペシャルステーキ』上・1,300円・『スペシャルコースセット』7種・4,000円
 鈴木さんは元々、『サガんチーノ』の姉妹店『焼鳥さくら』の常連客。そしてチェーンの洋食屋に勤務し、全国で腕を鳴らしてきた。『焼鳥さくら』を経営する幹部から、話を持ちかけられたのは昨年の1月頃。新しい洋食店をつくろうと、鈴木さんが抜擢されたが、時代は間もなくコロナ禍に突入。しかし、その話はずっと生きていた。
 「全国300店規模の大手飲食店で勤務しているので、コロナでもさほど影響なはい。40歳になり、安定した生活も送れ、家族もいる…」と大いに悩んだという鈴木さん。そんな彼を後押ししたのは奥さまの「楽しいこと、好きなことをしたら?」の一言だった。

『野菜たっぷりぶっかけチーズフォンデュ』900円
 幹部の熱い思いを受けて約半年間、メニューづくりを徹底した鈴木さん。本格イタリアンに加え、こだわったのはドリンクだ。ドイツから仕入れた珍しいノンアルコールワインを始め、フルーツを使った見た目にもオシャレなドリンクには客から感嘆の声が上がる。「コース料理もアルコールが入らない分、料理を増やしてほしいというご意見も多いんですよ」。
 店にパーテーションを設置するなど、感染対策を万全に期してのオープン以来、にぎわいを見せていたが、再度コロナ波の到来。しかし夜のメニューを昼でも楽しめるように、営業時間を変更した。「活気がないと嘆くより、活気を作る側になりたい」と意気込む鈴木さん。全国転勤にも終止符を打ち、「出身地の山口と似た匂いがする佐賀が大好き」と笑う。
 実は鈴木さん、若い頃は大阪で声優の仕事をしていたそう。当時かけ持ちしていたバイトの一つが、飲食業界への入り口となったとんかつ屋だったという。なるほど、店よし、料理よし、声よしの三方よし?女性客が多いのもおおいにうなずける。いや、グルメなお一人様男性客も多いともいう。これは食べにいってみないと。

『ハニーレモンサングリア』右・500円


店内店内
店内店内

DATA


■住所 佐賀市白山1-2-21 MAP
■TEL 0952-23-9990
■営業時間 11:30~21:00OS、~22:00
■店休日 月曜
■駐車場 近隣にコインパーキングあり(※会計時、駐車券提示で割引あり)
■席数 60席
■カード使用
■喫煙 不可
■Menu
【Food】特製ハンバーグプレート1,200円、チキンハーブパン粉焼きプレート1,200円、王道マルゲリータピザ900円、今月のパスタ赤・白1,000円、唐津産カキのグラタン450円、ムール貝の白ワイン蒸し550円、舌平目のムニエル1,000円 ほか
【Drink】ビール・ワイン・サワー・ソフトドリンク450円 ※飲み放題2時間1,800円 ほか
【Take Out】※受付21時まで
スペシャルコースセット(7種)4,000円、サラダ(生ハム・シーザー・地中海)各400円、ローストビーフ500円、今月のパスタ赤・白1,000円、ピザ(マルゲリータ・やみつきニンニクのハッスルピザ)1,000円、チキンバー&ポテトフライ500円 ほか
※すべて価格は税込

外観外観

テイクアウトはお電話でご予約くださいね☆

取材:森泉敦子

  


Posted by さがファンショッピング  at 11:44カフェレストラン居酒屋・バー弁当・仕出し洋食

2020年09月18日

「佐嘉神社記念館 喫茶 四季」Vol.107

今日のおかずは何だろう?毎日日替わり!
本格シェフがつくる超穴場ランチ

『本日の日替わりメニュー』アジフライ
 佐賀市内の中央に鎮座する『佐嘉神社』。現代に通じる佐賀という街をつくった、幕末の名君・佐賀鍋島藩10代直正、11代直大藩主を祀る神社であることは、佐賀県民なら誰でもご存知であろう。神社内にはさまざまなご利益が得られる社が並び、八社詣巡りも県外の観光客に人気だ。

とり天丼 600円
 そんな神社にランチ処があるとは?神社って普通ぷらっと参って、帰るよね…と訪ねてみると…、ゴージャスに輝くシャンデリア、真っ白な円卓の先には、緑豊かな日本庭園! そう、通常は祈願や結婚式の後に会食を行う場所。そこが『佐嘉神社記念館 喫茶 四季』。
 佐嘉神社記念館の営業を務める、水田孝嘉さんに聞けば、ランチは先代の宮司の提案で8年前から行っているそう。しかし、なかなか周知されていないのだとか。『喫茶 四季』の驚くべきランチメニューは、なんと、毎日『本日の日替わりメニュー』が変わること。
 メニューの内容は毎朝11時にFacebookページにアップされ、平日はほぼ常連さんでにぎわう。

ミニコーヒーとソフトクリーム
 そのメニューを考案し、つくっているのは他でもない、もともと記念館で腕をふるうシェフたちだ。和洋中なんでもござれ。特別な料理をつくる本格派の手にかかると、定食もひと味違う。取材日の日替わりメニュー『アジフライ』をいただいたが、一尾を箸でつかめないほどの肉厚さ、揚げたてサックサクにほおがほころんだ。ボリュームが欲しい客のために、お吸い物の代わりにうどんという配慮もうれしい。しかも、やさしい出汁の味がしみる。野菜や小鉢もあり、よくある、パンチの効いた味の濃い定食ではないのだ。

 これでコーヒー&デザート付きで600円?清々しい気持ちで神社に参り、非日常空間で栄養バランスのとれた定食をいただく…こんなスタイルがあったのか!「佐嘉神社は市民の憩いの場です。ランチで少しでもにぎわってくれれば」とはにかんで語る水田さん。BBQ等、店名の『四季』にまつわるイベントも多く開催しているという。穴場とよく言うが、ここは開かれた超穴場、ぜひご利用を。


店内店内
店内店内

DATA


■住所 佐賀県佐賀市松原2-10-43 MAP
■TEL 0952-24-4122
■営業時間 9:00~18:00(ランチタイム11:30~13:00OS)※テイクアウト弁当は10:00まで予約、11:30~13:30(ドライブスルーOK)
■店休日 水曜 ※ランチは土日祝休み
■駐車場 あり
■席数 40席
■カード使用 不可
■喫煙 不可
■Menu
【ランチ…all 600円(ミニコーヒー・ソフトクリーム付き)】
■本日の日替わりメニュー
■定番メニュー(カレー・牛丼)

【カフェメニュー】
ドリンク500円~

【テイクアウト弁当メニュー】
揚げ物・焼き魚・煮魚・カレー・牛丼・カツ丼・オムライス・カルビ丼・中華そば・冷やし中華・冷やしそば・冷やしうどん・焼きそば 500円
うなぎ丼 700円
手作りプリン 3個500円

【その他】
寿弁当・鉢盛・仏事弁当

外観店内

コロナに負けずいろんなイベントを楽しんで☆

取材:森泉敦子

  


Posted by さがファンショッピング  at 11:39和食カフェレストラン定食弁当・仕出し洋食

2019年10月09日

「弁当の若菜」Vol.97

ほっこり、あったかおふくろの味
和食屋さんによる愛情弁当

『チキン南蛮弁当』(お弁当オール540円)
 看板はないが、立派な墨文字によるメニュー表が目を引く。思わずふらっと入ってくる客も多いという。国道385号線沿い、東脊振インターから降りてすぐの『弁当の若菜』はその名の通り、お弁当の専門店だ。

 店を切り盛りするのは宮地由紀子さん。昭和4年創業の和食・仕出し屋『松屋』で生まれ育ち、ご主人の宮地政彦さんは3代目にあたる。ずっと地元のスーパーで惣菜店を営んでいた経験もあり、2010年、高尾ちえみさん、石橋静子さんら“おふくろ”たちとともに、念願のお弁当屋をオープンさせた。

『日替り弁当』の「甘辛肉団子麻婆茄子」(540円)
 和食・仕出しのベースがあるからこそ、そのお弁当は本格的。お米も政彦さんによる手作りで、毎日精米仕立てのほかほか白米を注文後、容器に盛る。驚くのはそのメニューの豊富さ。定番のほか、日替わり弁当のおかずは「魚照り焼き」「鶏チリ」「手作り春巻き」「揚げ鶏竜田」「中華卵あんかけ」「ゴボウ生姜魚てんぷら」など手が込んでいる。しかもボリュームたっぷりでオール540円という安さに、毎日訪れる客も多いという。

『鶏唐揚弁当』(540円)
 「お弁当屋ってチェーン店ばかり。時間がないから買うというお客様も多いと思うんです。お弁当は日本だけの文化で限られた容器に夢が詰まっていると思っています」と笑顔で語る由紀子さん。素材は佐賀県産にこだわり、旬の素材に野菜をたっぷり入れ、地元の味噌としょうゆを使ったお弁当が若菜流。イートインもできて、トレイの上にお弁当とお味噌汁(50円!)を乗せると、まるで定食さながら。店内の広間でテレビを観ながら、ゆっくりといただくこともできる。

『ハンバーグ弁当』(540円)
 一番人気は国産鶏を使った『鶏唐揚弁当』。唐揚のみの販売も好評で、注文を受けてから揚げる。お弁当が昼に売り切れても、夕飯のおかずに、と唐揚げのみ買いに来る客も多い。 「地元のお母さん的な存在でいたい」と由紀子さんとちえみさん、静子さん。手描きのちらしにも心が温かくなる。優しい笑顔に愛情のこもったお弁当にすっかり癒された。


店内店内
店内店内

DATA


■住所 佐賀県神埼郡吉野ヶ里町三津770-1 MAP
■TEL 0952-53-6092
■営業時間 10:00~17:00ごろまで
■店休日 不定休
■席数 大テーブル、カウンターなどイートインスペースあり
■カード使用 不可
■駐車場 あり
■Menu
各種弁当540円(日替り弁当、鶏唐揚弁当、豚生姜焼き弁当、チキン南蛮弁当、トンカツ弁当、鶏チリ弁当、ハンバーグ弁当)
幕の内弁当600円~2,000円(要予約)
※イートインもテイクアウトもお味噌汁50円
鶏唐揚ファミリー盛(20個ほど)1,080円~(※量り売りOK・245円/g)、オードブル(5~6人用)6,480円、お寿司盛(5~6人用)3,240円
手作りおむすび(30個)3,000円、だし巻き卵と揚げ物盛合せ3,000円

外観

慶事仏事、各種イベント弁当ご予約承ります☆

取材:森泉敦子

  


Posted by さがファンショッピング  at 13:15和食弁当・仕出し