2012年06月30日
Vol.15 活魚料理 「元祖 炭火いろり焼 大幸園」
“命の恵み”の大切さと力強さ―
改めて噛みしめ、味わう貴重な空間
都会の隠れ家とはよく言うが、ここはきっと自然の隠れ家というのだろう。創業40年、先代が東京で営んでいた食堂をたたみ、故郷に戻ってみかん山を切り拓いたのがはじまり。
県道からふっと分け入った道は小高い山に続く。山々に囲まれた料亭のような建物からは、佐賀・久留米市内が一望できる。涼感漂い、平地と4~5℃の差があるという。一瞬にして別世界にタイムスリップした感じだ。
畳に座り、囲炉裏を囲む。炭を入れるとホッと温かくなり、パチパチと音をたてる。やってきたのは、地下80mの清冽な地下水で育ち、先ほどまで生簀で泳いでいたニジマス。じっと焼き上がるのを待つ。香ばしさが部屋中に広がる。食欲が臨界点に達する…。「お魚は全部食べられるんですよ」と女将の平井久美子さんが、骨抜きの仕方まで教えてくれた。
改めて“命の恵み”の大切さ、力強さを実感する。「子どもさんはここのお魚を食べた後は、スーパーで売っている切り身とか食べられん、ていいよっさあですよ」。
川魚は淡泊なはずなのに、焼き立てはフカフカで身がギッシリ。骨は再び囲炉裏にかけ、後でおせんべいのようにパリパリといただく。ああ、ここにビールがあったなら…。
自然に囲まれた場で、火を囲み、素材そのものをいただく。添え物の野菜も久美子さんの自家製。取材当日は、30年ぶりに訪れたというお客さんが舌鼓を打っていた。「ごちそうさまでした」と頭を垂れ、合掌する真意がわかる、貴重な空間と時間がここにはある。
DATA
■住所 佐賀県三養基郡上峰町大字堤字屋形原1651-109 MAP
■TEL 0952-52-2220
■営業時間 11:00~21:00
■店休日 月曜
■席数 個室8部屋(6人収容可能)、離れの間1部屋(12人)、大部屋(25人)、宴会場(50人)
■カード使用 不可
■駐車場 あり
■Menu コース料理3,150円~、スッポン鍋4,200円、スッポン料理コース1万5,000円(2~3名分)、地鶏鍋2,625円、アユ刺身800円、アユせごし800円、マスたたき500円、マス甘露煮600円、鯉の洗い、鯉こく(時価)ほか
※宴会料理の予約は予算に応じます。
「あぶり家 壱町(いっちょう)」Vol.119
「蛮屋~BANYA~」Vol.118
「季節料理 魚喜」Vol.117
「料庵 川松」Vol.114
「農家屋台 いい・麺亭」Vol.113